アイドルになれないなら死にたい

東京ドブ川ストーリー

犬になりたい

誰かが言う「あの人犬顔だよね」というのに、納得したことがない。

所詮メディアがいう犬顔男子は
目がくりくりっとしていて、光に透けると茶色くなる柔らかい髪の毛で
笑うとまぶしい笑顔で抱きしめたくなっちゃっうって、かわいいのに賢い、
ただただ抱きしめたくなるような、ただのイケメンである。
ただの愛嬌のある顔をしたイケメンである。
あー!抱きしめたい!髪をわしゃわしゃして鬱陶しがられたい!

私もそんな犬顔で生まれたかった。
愛嬌のある顔で愛想を振りまきたかった!
かわいくておちゃめで、馬鹿なことをしても”かわいい”で許されたかった!
撫で撫でされるためだけにがんばりたかった!
しっぽ振って後をついていきたかった!
ああ!犬顔になりたい!
でも本当は犬になりたい!ワンワン!ワンワン!

犬顔男子に飼われて、代々木公園あたりを走り回ってじゃれあいたい。
馬乗りになって(犬なのに)、べろべろに顔を嘗め回したい。
何をしてもえらいねーって褒められてなでなでされて誰にだって愛されたい!

「パンダになりたかたんじゃないの?」と誰かが言うかもしれない。
うん、パンダにもなりたいよ。
でもとりあえず私の一挙一同に"かわいい"って言ってくれればなんでもいいや!

とにかく愛されたいのだワン!