アイドルになれないなら死にたい

東京ドブ川ストーリー

かわいい話の種

かわいい話の種を持ちたい。

飲みの席なんかで、初対面ないしはあまり面識のない人の前で私は必死で場を盛り上げようと、変な話をしてしまう。
私が持っている最強のネタは、「ねこのふん」という話と、オリンピックイヤー毎にうんこを漏らしてしまう話くらいだ。タイトルからしてもちろん下ネタ、というかどちらもうんこの話だ。

困った時はこのカードを出そう、と思っていくつか下ネタを前の晩に布団の中で考えている。ふとした瞬間に思い出せなかった時用のために、念のためEvernoteにもメモをとってストックしてある。

とある合コンでも私はうんこを漏らした話をしてしまった。
以来私は糞ガールと呼ばれている。まあもうその男性たちとは会っていないのだけれど。

だから私はもうちょっとかわいい話の種を持ちたい。
私の友達で気に入っているのは、気づいたらクーラーのリモコンを洗濯してしまっていた話だ。
私の姉も昔よく扉に突っ込んでいた。目が悪く扉が見えなかったらしい。
そんな天然エピソードは犬猫動画を見るくらいほんわかする。

さて、私の話の種はほんわかなどしない。とある女の子は顔を引きつらせる。
とある男性は気を使ってか話を広げてくれようとする。

ほんわかしたドジ話はなかっただろうかと過去に思いをはせる。
体育祭の前日に告白してもいないのに振られたことをちょっと思い出した。
びっくりさせようと内緒で友達の家にドーナツ持って遊びに行ったらまさに”最中”だったこともあった。
扉に足をはさんで靴を血まみれにしたことがある。

別に誰も何も私に求めていないのに。一体私は何と戦っているんだろう。
別に盛り上げなくてもいいのに。

空回る私を見兼ねてか、別にそんな頑張んなくてもいいんだよ、と知人に申し訳なさそうに言われたこともある

だからモテないんだよ、と言われれば確かにそうである、否定はできないし、しない。
ただ、私はおそらく、これらの種の話を人にしたいのだと思う。

モテとかそういうことを意識せず、自分の面白い面を知ってもらいたいのだと思う。
でもやっぱりモテたいので、かわいい種を作るところから始めたいと思う。